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2024.03.25
メタン発酵施設

メタン発酵施設_画像

メタン発酵施設は、含水率の高い有機性廃棄物を嫌気条件下(酸素の無い状態)で微生物の働きにより発酵させ、メタンを含むバイオガスを発生させる施設のことをいう。

表1 メタン発酵施設の原料と生成物

表1 メタン発酵施設の原料と生成物

特徴

  • 含水率の高い原料など、異なる種類の有機性廃棄物を一括処理できる。
  • バイオガスを基に発電した電気やバイオガス燃焼に伴い発生する熱を、自家消費などで利活用でき、処理規模を拡大することで売電も可能となる。
  • 周辺施設への電力・熱供給を通じて、災害時の防災拠点としての機能も期待できる。
  • バイオガスは主にCH4(メタン)/CO2(二酸化炭素)から成るため発熱量が低いが、CH4を分離し純度を高めることで、汎用品のガスエンジンやガスタービンへの利用が容易となる。CH4分離後のバイオガスには濃度の高いCO2が含まれるため、施設園芸などへ供給できる可能性がある。CO2分離回収技術では、化学吸収法などが一部実用化されているが、膜による分離技術についても省エネルギープロセスという面で有望視されている¹。
  • メタン発酵後の処理残さには、肥料成分(窒素、リン、カリ)が豊富に含まれており、消化液(液肥化)や固形残さ(堆肥化)として農地還元ができる。また、固液分離後の固形物は、畜産農業において再生敷料としても利用できる。
  • 空気を入れないように密閉したタンクで発酵させるため、処理そのものから臭気が外部に発生しない。
1 「平成29 年度中小廃棄物処理施設における先導的廃棄物処理システム化等評価・検証事業 CO2 分離膜を適用した次世代低炭素型高効率バイオガス発電システム及びコンバインドシステム 成果報告書, 平成30 年3月, 株式会社タクマ/株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ/南丹広域行政事務組合」では、CO2 の農業利用について、「技術的には比較的容易であり実用可能であるが、CO2 削減効果の面から考えるとCO2 利用量が限られていることから、広大な用地が必要となる」ことなどが課題とされている。

活動基盤/活動主体別のインプット/アウトプット及び想定されるメリット

表 2 活動基盤/活動主体別の整理(メタン発酵施設)

表2 活動基盤/活動主体別の整理(メタン発酵施設)

1 参考:JAゆうき青森HP http://www.ja-yuukiaomori.or.jp/news/2018/12/news-001118.php
2 参考:鹿追町HP 鹿追町環境保全センターバイオガスプラント https://www.town.shikaoi.lg.jp/work/biogasplant/
3 参考:消化液の肥料利用を伴うメタン化事業実施手引報告書(平成28年3月、一般社団法人地域環境資源センター)
4 参考:氷室の郷HP 八木バイオエコロジーセンター http://himuronosato.jp/bio.html

技術要素解説

メタン発酵消化液の液肥利用

取組例

福岡県南筑後地区
福岡県大木町(地域への価値創出)
福岡県みやま市(地域への価値創出)