福岡県南筑後地域に位置する大木町は、平成18年に稼働開始したメタン発酵施設「おおき循環センター くるるん」を始めとして、「農業地域」であることも活かした資源循環分野の地域循環共生圏における象徴的な地域となっている。
近年では、複数の市長によるプラスチックリサイクルの取り組みや、近隣のみやま市においても生ごみとし尿・浄化槽汚泥を資源化して農業利用するメタン発酵施設「ルフラン」が稼働するなど、南筑後地域全体が地域循環共生圏の観点から今後の展開が注目される地域となっている。
図 1 南筑後地域(福岡県)
南筑後地域は、福岡県南部の筑後平野に位置する7市町からなり、総人口約30万人、農業(米、麦、果物、い草、茶)や有明海苔生産など第一次産業が盛んな地域である(表1)。平成23年のJR九州新幹線「筑後船小屋駅」開業以降は「筑後七国」として広域で観光、地域振興に取り組むなど連携も行われている。
大木町は地域内でいち早く平成18年よりメタン発酵施設の稼働を開始し、みやま市でも平成30年より施設を稼働させている。
稼働開始以前の取組背景としては表2の課題を抱えていた。
表1 南筑後地域7市町の基礎データ
出典:農林水産省わが町わが村(令和3年1月閲覧)
表2 大木町・みやま市の取組背景