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2022.02.17
佐賀市はCO2分離回収の先駆け! バイオマス産業で地域振興目指す

佐賀市では、早くから「バイオマス産業都市さが」というビジョンを掲げ、清掃工場からのCO2を分離・回収して活用するという先駆的な取り組みが行われてきた。CO2を地域資源と捉え、新たな産業振興に結びつけるという斬新な発想だ。

こうした取り組みがなぜ始まったのか、どのような成果をあげているのか、佐賀市環境部 施設機能向上推進室の田中和之室長と、同企画調整部 バイオマス産業推進課の江島英文課長にお話を伺った。

佐賀市の取り組みの概要を教えてください。

田中氏 佐賀市では「バイオマス産業都市さが」という環境保全と経済的な発展が両立するまちを目指しています。将来像としては、廃棄物だったものがエネルギーや資源となり、価値を新たに生み出しながら循環していくまちというイメージを描いています。

こうしたビジョンを掲げる以前から、迷惑施設とされる清掃工場のイメージを変えたいと思い、下水汚泥の堆肥化やごみ焼却時の熱を使った温水供給や売電によって地域貢献を行ってきました。

平成25年に農林水産省などから「バイオマス産業都市構想」が示されたことをきっかけに、佐賀市全体でバイオマスを活用したまちづくりに取り組むことになったのです。佐賀市は市町村合併後にごみ処理施設の統廃合を行い、平成26年から佐賀市清掃工場でごみ処理を行っています。

取り組みの概要としては、佐賀市清掃工場の余剰電力を公共施設で地産地消しているほか、大学などと連携して清掃工場から出るCO2を分離回収し、さまざまな用途に活用しています。こうしたCO2の活用は「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization 、二酸化炭素回収・有効利用)」と呼ばれていますが、佐賀市ではCO2を資源として早くから活用してきました。