一定規模の地域/圏域において、廃棄物処理と地域産業等への資源エネルギー供給の連携事業を構想し、公共が出資及び/又は委託する事業主体(公共又は官民連携による組合/団体/会社等のほか、場合によっては既存の民間事業者が主体となる場合も想定される。)が、廃棄物処理施設の整備運営と回収された資源エネルギーの地域供給を担うイメージです。
個々の市町村・施設レベルで、隣接する地域産業(工場、農業ハウス等)に熱等を供給する取組みは従来からいくつか実現されていますが、施設の立地条件が整っていることが前提であることから、需給バランスが整わず、比較的大規模な地域熱供給事業を除いて、回収したエネルギーを十分に利用しきれていないケースも多いと考えられます。廃棄物処理施設から回収された資源エネルギーをできるだけ価値の高い状態で有効に利用するためには、施設の集約化+資源エネルギー回収を、需要家となる地域産業等とセットで構想することが重要と考えられます。(例えば、製造業等が集積するコンビナートでの熱利用を念頭に、近接する土地に処理施設を計画し、供給設備と合わせて整備運営する等。)
また、一定の資源エネルギー需要を有する地域の事業場と連携を確保し、処理規模に応じて燃料やCO2などの素材・原料を提供することも考えられます。
必ずしも官民連携の事業体を組織することが必須ではありませんが、需給間の適切な契約関係を確保するとともに、全体の事業性確保にあたっては、地域産業等における資源エネルギーの需給バランスを踏まえたFS調査を実施し、事業条件を設定していくことが重要と考えられます。
地域内での資源エネルギー循環を中心に据えた事業スキームでは、資源エネルギー回収施設(処理施設)を中核的な都市の施設で集約するケースや、民間事業者の施設に集約するケースなども考えられます。
中核的な都市が民間事業者と連携して資源エネルギー循環を検討し、現状の立地条件を活かす又は整備更新等の機会を捉えて事業形成していくことが考えられます。各市町村に既存の施設がある場合、その更新整備等のタイミングを踏まえて形成していく必要があります。
立地条件を満たした民間施設がある場合等に、エネルギー関連事業者等と連携して資源エネルギーの需給バランスを確保し、事業形成を検討していくことが考えられます。組合等による集約施設や中核的な都市が集約する場合と比較して、民間事業者に委ねる割合が大きくなることから、民間事業者側の事業リスク等への対応や、官民間の適切な連携関係構築、公共による監視チェック機能の確保等による行政責任の担保を図ることが重要となります。