市のエコインダストリアルパークにあるごみ焼却施設で発生させた蒸気を化学工場へ供給。既存の第1 焼却工場から、その周辺に立地した化学工場へ蒸気を供給したところ、短い投資回収年で大きな効果が得られた。そこで、更に新たな化学工場が建設される際に、第2焼却工場の建設では発電設備の導入を取り止め、その化学工場へ高圧蒸気を供給することとした。
出典:令和元年度第1回シンポジウム-地域循環共生圏形成における廃棄物エネルギー利用施設の果たす役割と可能性-「廃棄物の熱エネルギー利用の高度化の可能性」藤井実(国立研究開発法人国立環境研究所)
図1 ウルサン工場概要
出典:環境省委託業務(平成27年度廃棄物発電の高度化支援事業委託業務報告書)より作成
参考文献:大西 悟「韓国・地域EIPセンターが促す焼却熱の工場利用の実態」廃棄物資源循環学会誌、30(4)、2019
焼却施設側は蒸気販売収入、発電設備を導入しなかったことによる事業費の縮減。工場側は燃料費節減、CO2削減、新規投資・雇用の創出。
韓国においても焼却熱の工場利用のコンセプトは普及しておらず、実現には、地道な意識啓発活動、清掃工場利害関係者への説明、低コスト化を実現するビジネスモデルの知識・ノウハウの集約を継続することが必要であった。(大西悟「韓国・地域EIPセンターが促す焼却熱の工場利用の実態」廃棄物資源循環学会誌、30(4), 2019 より)
出典:「廃棄物エネルギー利用高度化マニュアル」(平成29年3月、環境省)より記述