当初は発電設備が導入されておらず、余剰蒸気が発生していたところ、隣接する民間工場からの要請があり、蒸気配管による供給(高圧蒸気)が開始。現在は新設工場からの低圧蒸気(タービン抽気蒸気を優先)が主体。
図1 Q清掃工場の蒸気供給 イメージ図
出典:「廃棄物エネルギー利用高度化マニュアル」(平成29年3月、環境省)
発電量低下に伴う売電収入分とイニシャル分を含む追加的必要コストを加算しても、工場側は蒸気供給を希望しており、経済的合理性が高いといえる。民間工場の熱源はLPGボイラであり、代替によるCO2削減効果も大きいと想定される。民間工場内では比較的高温の熱需要からカスケード利用している模様で、エネルギー利用効率上、質の高い蒸気を供給しても無駄は少ないと考えられる。
工場内の蒸気用途により、供給蒸気が復水として還ってこないため、焼却施設側では純水製造装置の増強が必要になった。民間工場側では予備熱源としてボイラを保有しており、供給量が制限される際も基本的に問題なく対応できている様子である。民間施設に熱供給する場合は、事前に双方で十分な協議を行う、又は公募等により熱の需要先を選定するなど、丁寧な手続きを行うことが望ましい。
出典:「平成28年度廃棄物エネルギー利活用計画策定検討調査委託業務報告書」(平成29年3月)より記述
表1 Q清掃工場から外部への熱供給によるCO2排出削減量の試算
出典:「廃棄物エネルギー利活用高度化マニュアル」P.58より