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2021.03.24
高効率エネルギー回収技術

一般廃棄物処理システムのCO2排出削減に向けて大きな要素の一つとなる高効率エネルギー回収技術について、環境省のマニュアルにおける先行事例から引用します。

クリーンプラザふじみ(ふじみ衛生組合(三鷹市・調布市))

施設の特徴

最新のストーカ炉を導入することにより、ごみを安全・安定的に処理することが可能な施設である。また、高効率発電設備の導入により、より多くの余剰電力を場外へ供給することが可能となっている。焼却残渣・焼却飛灰はエコセメントの原料とすることで、ほぼ全量を再資源化し、最終処分量の低減に寄与している。

堺市クリーンセンター臨海工場(大阪府堺市)

施設の特徴

分散型電源として 13,500kW の蒸気タービン発電機1基と 815kW のガスエンジン発電機 3 基を備え、災害等の停電時でもガスエンジン発電機電力供給による施設の立上(ブラックスタート)が可能で、通常運転時においても蒸気タービン発電機のバックアップをガスエンジン発電機が受け持つことにより電源セキュリティを向上させている。また、蒸気タービン発電機とガスエンジン発電機の各々に電力量計を設置し、バイオマス比率算定をすることで、余剰電力を FIT 制度により売電している。

南但クリーンセンター(南但広域行政事務組合(兵庫県養父市・朝来市))

施設の特徴

機械選別装置を導入することにより、分別収集することなく、搬入されたごみをメタン発酵に適したごみと焼却に適したごみに分別している。また、メタン発酵により発電した電気は、2回線受電により余剰電力を FIT 制度の価格で売電している。


平塚市環境事業センター(神奈川県平塚市)

施設の特徴

低炭素化社会実現への貢献と周辺地域への配慮として、廃棄物から高効率で高品質の電気エネルギーを回収するだけでなく、機器冷却水にボイラ復水を利用することで従来は熱ロスになっていたエネルギーを回収し、隣接温浴施設への熱供給にも利用することで地域活性化に貢献している。残渣有効利用として、焼却残渣(流動飛灰、炉下不燃物、炉下金属)は全て再資源化して有効に利用する。

ふじみ野市・三芳町環境センター(埼玉県ふじみ野市・三芳町)

施設の特徴

施設規模は大きくはないが、場外余熱利用施設へ熱供給を行いながらも、発電効率19.5%を達成している。

防府市クリーンセンター(山口県防府市)

施設の特徴

ごみ焼却ボイラで得られる蒸気を4MPa×365℃に抑え、メタンガスを燃料とする独立過熱器で 4MPa×405℃(高質時)まで過熱することで高効率発電を達成しながらも、ボイラの高温腐食を低減することができ、経済性に優れたシステムとなっている。また、焼却灰や集じん灰をセメント原料として有効利用している。



出典)エネルギー回収型廃棄物処理施設整備マニュアル 平成 26 年 3 月(令和2年4月改訂)環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課